韓国の南部で開催されたスピリチャル音楽祭HwaEom Spiritual Music Ritual

韓国の長距離バスHwaEom  Spiritual Music Ritual寺の建築韓国の仁王像

韓国の南のジリサン国立公園のワエオンという寺で開催されたスピリチュアル音楽祭
彼女はその音楽祭をNAVERで見つけて、ソウルから300kmほど南へ下った寺にシャトルバスで行ってみました。公共の交通機関でその場所まで行くと、たとえ交通機関の料金が安い韓国でも2人で4000円は必要になるが、シャトルバスを利用すると、1人1000円になるので、バスを予約しました。朝8時に起き、軽く朝食を食べて集合場所のガンナムまで市バスで行くと、車内にカラフルな電飾が飾られたアジアンな長距離バスが待ってました。久しぶりの長距離バスはベトナムやラオスを思い出し、高揚します。その音楽祭は入場無料でして、なんと寺の食事まで無料で用意されていました。バスに乗り込むなり、2人とも爆睡し、昼の休憩では急いで混雑するサービスエリアでうどんとキンパブ、揚げたジャガイモを2人でシェアして、再びバスに揺られ、殆ど寝ていました。途中、予報していた豪雨と雷で目が覚めましたが、すぐに止みまた爆睡です。

Hwaeom寺音楽祭会場Hwaeom寺の境内Hwaeom寺の境内

高速道路は休日のラッシュにも関わらず、目的地まで3時間ちょっとで着きました。バスには8割くらいが年配の女性なのは当然です。若い人がスピリチュアルと聞いても興味がないはずです。その寺は、中国で訪れたような、山の斜面に幾つも門があり、一番奥に本堂があるスタイルで、木造の古い門には大層な装飾が施され、何度もカラフルな模様が塗り替えられているようでした。最初の門の前には土産物屋があり、キーチェーンや自然素材の服、山で採れた乾物、木工のマッサージグッズなどが売られており、カフェもあります。そんな土産物屋が寺の敷地内に幾つもあり、駐車場も大型バスが停められるほど大きく、観光地化されたビジネスに特化した仏教寺であることが伺われます。しかし、音楽祭は無料、振舞われる食事も無料なので、韓国全土から1000人規模の人々が集まっていました。ロケーションは下町から10kmほど離れた山の中腹にあり、月の輪熊が生息する水がきれいで美味しい自然公園の傍になります。まずは、階段を登り、門をいくつかくぐって、本堂まで行ってみました。本堂前に広い敷地があり、そこにステージを作り、西と北にある階段の上に木琴と民族楽器の演奏場所が設置されていました。小雨が降り出し、本堂の縁側に座ってリハーサルを聞いていました。家族連れやカップル、お年寄りと客層は様々です。

Hwaeom寺の建築秋の空渓流日没後の空

帰りのシャトルバスの時間は終演の22時、現在16時です。夜の10時まで果てしなく感じましたが外国で長時間待つことは慣れています。ぼく達は空腹で食堂を探しました。バスの乗務員に尋ねると食堂を教えてくれて、あと30分ほどで準備ができるそうです。本当に食事が振舞われるのか半信半疑でしたが、どうやら本当のようです。しばらくすると食堂の前に行列ができ、宿泊の人達から先に食堂に誘導されていました。宿泊とは、4000Wほど支払って宿舎に泊まるプランがあったようです。空腹時の炊き出し行列は初めての経験で、戦争中はこんな感じかと思いながら順番を待ちました。どんな料理が振舞われるかと期待したところ、なるほど、ビピンパでした。ステンレスの器に野菜とコチュジャンがはいっており、ご飯を自分で注ぎます。ごはんを大盛りに自分で注いだのは失敗でした。野菜とご飯のバランスが崩れて美味しくなくなるからです。野菜は、コンナムル(豆つきモヤシ)、サンチュ(サニーレタス)、キュウリ、白菜キムチ、韓国海苔などでした。それらをスプーンで満遍なく混ぜてコチュジャンを絡めます。数多く並んだテーブルの奥で尼さんが「ここが空いてますよ」と手招きしてたので遠慮なく席をいただきました。白い装束に剃った頭の尼さんは何だか神々しく感じます。他愛ない会話を交わし、彼女は先に席を立ちました。ピビンパがこんなに精進料理に感じたのは初めてで納得しました。インドやネパールのカレーに通ずるところがあります。食事が終わる頃、最初から横に置いてあった唐辛子や酢が入った容器や、ティッシュ箱を「ここに持ってきてはいけない」と怒りながら取っていく僧侶もあり、修行が足りませんね。感じたのはぼくだけではなかったはずです。

寺の本堂ライトアッププ光と音楽の演出光と音楽の演出韓国の寺にあった蓮の提灯

食器は外の水場にある、人が浸かれそうな大きな3つ並んだバケツで順に汚れを落とし、自分で後片付けします。こういった仏教寺や宗教的な施設ならではの、自立心を養う行為は幼い頃に行った記憶があるような、無いような、嫌いではありません。次にインドに行った際には是非寺に滞在したいものです。後片付けも終えたぼく達は、脇にある小川に降りてみました。日が沈み、辺りは次第に薄暗くなって来て、雨も止んだようです。水はとても冷たく、岩を歩いて対岸に登りました。そのまま遊歩道を登っていくと、熊注意の看板や、国立自然遊歩道で観察できる植物や鳥の看板もありました。鳥達は帰る準備をして忙しそうです。しばらく歩くと、向かいに小さな白い何かが薄暗い中にありました。近づいてみると、小さな白い毛の短い犬が尻尾を振りながら近づいて来ました。早速挨拶を交わして友達になり、道案内をしてくれました。30分ほど歩いてぼく達は疲れ果て、彼に追いつけなくなりました。辺りはすっかり暗くなり、引き返すことにしました。寺に戻ると、駐車場は満員で、広い会場も入れないほどの人の多さになっていました。立って見ている人も多く、とても演奏を観れる状態ではなかったです。そこでこの寺の敷地を把握していたぼくは、昼間に座っていた本堂の方に裏から回って来る方法を思いつきました。色々と歩き回って見つけた裏道でした。見事、会場を見下ろせる階段の上に出ることができましたが、警備員が階段近くを封鎖していました。でも下の会場よりは人は少ないので幾分マシです。暫く本堂の縁側に座っていましたが、演奏は見えません。できれば階段に座りたいものです。次第に気温が低くなるのを感じました。ぼくは自前の麻のジップパーカに、雨に備えて長年使っているレインジャケットしか持ってきていませんでした。彼女は中国東方航空から頂いてきたロゴ入りの紺のブランケットを羽織って寒そうにしています。暫くして、演奏を見たくてしびれを切らした彼女が、封鎖を突破して階段を奪いに行きました。日本では絶対許されない事が韓国では「ゆるい」事が多く、見事成功。階段からは演奏がゆっくり見ることができました。演奏は、LEDやサーチライトを使った光を寺の本堂に当てたり、神秘的な音楽で見事な演出を実現し、幻想的な空間を作り出して観客を魅了しました。この音楽祭は、Hwaeom Spiritual Music Ritualというタイトルで、日本人やインドで音楽を勉強した欧米人など様々な民族楽器や幻想的な音を奏でる楽器で演奏していました。中でもインドのラーガのような歌声とシタール演奏が一番スピリチャル感が強くて良かったです。山の気温はますます下がっていました。演奏が終わるや否や、演出かと疑うほどの強い雷の音と共に豪雨になり、会場の観客は一斉に帰路に急ぎました。思ったより楽しかったので、時間の経つのが早かったので良かったです。帰りのバスでは疲れのため、再び爆睡しました。ソウルに着いたのは午前1時を回っていました。ソウルには深夜バスが1時間に1本あるので、寒い中ガンナムからバスで帰宅しました。

http://hwaeommusic.com/

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください