朝食をゆっくりと食べ、シェリルに別れを告げ、名残惜しいがチェックアウトして瞑想寺に行くことにした。
マハシ式ヴィパッサナー瞑想センターは、前の日に予約に行ったのだがパスポートを忘れて明日来いと言われていた。と言うことはそんなに混雑していなく、空いている部屋があると言うことだ。受付でパスポートを預けられ、最短の10日でチェックインした。パスポートはチェックアウト前の日に返してくれるらしい。
広い敷地の奥へ案内され、ボロボロの収容所のような、鉄格子のドアが重すぎる奥の部屋へ入ると、小さな天井の高い部屋があった。蚊帳がベッドの上に置いてあり、広げると白くて丸いメントスのような玉がいくつも落ちてきた。防虫剤のようだが、なぜこんなに… どうやら南京虫避けのようだ。中国人と韓国人の滞在者が以前多かったようで、出入りも激しかったようだ。
まずは寝心地を確かめるために数時間寝た。灰色の袈裟を来た中国人の坊さんとまず話した。彼は英語はできないので、自分でも驚きながら簡単な中国語で会話できた。「中国人ですか?中国のどこですか?私は日本人です。10日間滞在します。」など、片言すぎるが中国語が少しでもわかる人が来て嬉しそうだった。彼は家が病院で25歳で出家していて瞑想の修行に来ていると言う。それからというもの、瞑想の時間になるととを叩かれて「瞑想に行こう」と誘われるようになった。勿論朝も。とても人懐こくてドジで愛嬌がある50歳。瞑想中に居眠りして倒れてしまうことしばしば。
インドのバンガロールから来たおじさんは、日本人の青年から嫌われていた。なぜなら偉そうだから。いつも腕を組んで歩き瞑想している様は、「オレはこんな所来たくねえんだけど、しょうがなく来てやってんだ」と勝手に解釈してしまう。しかし話してみると、彼はインドの瞑想センターのマネージャーであり、ブッダガヤーの支部で働くという。今回は観光であり、多分予算が少ないから寺に滞在しているのだろう。しかもここでの経験は彼の仕事の経験値も上がるのだ。
東京出身のS君、30代で登山好きで真面目で頭を丸めてある。日本ではチャラチャラした人が周りに多くて馴染めないのだろう。どうやら彼にも私が同じ人種だと思われて気に入られてしまったようだ。ヨレヨレ過ぎる白Tシャツを着ているのが印象的。3ヶ月の瞑想ビザでの滞在。
同じく東京から来たお坊さん。彼は私と同じ歳くらいかな。ユーモアがあって笑顔が多い柔らかな人。「瞑想はドラッグやってるみたいなもんだから」「雨季に比べると今の時期は気持ちよくて色んな誘惑と戦うことが難しい」「今回は短期の出家です」とのこと。短期の出家なんてあるのだと驚いた。勿論、小豆色の糞僧衣を纏っていて頭は坊主。
ヨガをする韓国人。いつも同じテーブルで飯を食べる仲間。食卓を囲むと仲間意識が芽生えるものだ。何も会話していないが、ご飯を先につがせてくれる。私が白髪だから目上と思われているのか。ステンレスのマイ箸を持っていてコチュジャンと生にんにくを持参する。絶対に食後のバナナを欠かさない。スープは飲まない。魚のペーストも嫌いなようだ。私と逆で小麦麺より粥を好む。スポンジケーキを持って帰って犬にあげている優しい人だ。
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