ついに日本へ帰る日がやってきた。
朝は宿の近所の朝市でモーケンと、コーンワッフルと、豆乳を買って食べ、食べて寝るを繰り返し、昼はハラル食堂でチキンビリヤニを食べた。
ミャンマーで食べたビリヤニより数段美味しかった。
アハマッドに別れを言うと彼は寂しそうだった。
アハマッドは、いつも「レディー」「レディー」と女の話ばかりしていた。
M君は2日後のANAの便を予約したが、スワンナプーム空港を見てみたいと言って、私を送りに付いてきてくれた。
スワンナプーム空港には、スカイトレインで30分ほどでラムカムヘン駅からアクセスできる。
スワンナプーム空港についた我々は、空港の閑散とした状況を知っていたが驚いた。
私は、スカイトレインの駅近くにあるスーパーリッチという両替所に行き、4500バーツを両替して15000円の日本円を手にすることができた。
スーパーリッチは手数料が激安なので、円を売る場合も買う場合でも大差ないのが信じられないほどだ。
私たちはコーヒーでも飲もうかとカフェを探したが、開いている店も少なくて100バーツ以上する。
セブンイレブンのエスプレッソは、座る場所が無いものの、50バーツだし時間も迫ってきたので、チェックインカウンターの前でコーヒーを飲むことにした。
M君はコーヒーが大好きなようで、多少高くても良いようだが、私はそれ程コーヒーを飲まないので、渋ってしまう。
搭乗2時間前になり、M君と別れてチェックインカウンターへ行った。
Webチェックインを済ましていたのだが、JALのカウンターには誰も並んでいない。
スリーピングマットをくっ付けたザックを、軽量を兼ねたベルトコンベアに載せて、パッキングできるか尋ねると、快く厚手の大きなビニール袋に入れてくれた。
座席は指定していたのだが、隣に予約した人がいるから席を変わるから尋ねられたので、隣に誰もいない窓際を頼んだ。
JALは何もかもストレスなく気を聞かせてくれるのが嬉しい。
私はドライサックに着替えや現金やモバイルバッテリーだけを入れて、手荷物検査へ向かった。
検査に誰も並んでいないのは、とてもストレスなく快適だ。
スワンナプーム空港の検査では、まず荷物をカゴに入れるまでは普通だが、靴を脱いで大きな円柱の透明な容器のような検査機に立たされて、手を上げさせられる。
すると、センサーが上下左右に動いて金属などを調べるという、かなりSFチックな検査機だった。
その機械を出て、更に係員が手に持った金属探知機で入念に身体を調べて荷物を受け取ることができる。
引っかかったのは、モバイルバッテリーを出せと言われて、係員が入念に調べて合格したようだ。
そして、イミグレーションの出国審査を通るのだが、ここでも機械にパスポートをスキャンさせて、顔認証が自動で行われる。
更に係員によるチェックで、出国スタンプを押してくれる。
そこで、気になったことがあったので、審査官に尋ねてみた。
「日本人は大使館の手紙なしでビザを延長できるの?」
答えは「イエス」だった。
というのも、瞑想センターにいた外国人教師たちの情報では、ビザの延長には大使館からの手紙が必須だと聞いていたので、ビザの延長は諦めていた。
しかし、バンコクの宿にいたイラン人は、それは国によって違うと言う。
イランは手紙がいるようだが、大使館に行くと簡単に手紙を書いてくれたようだ。
彼は2000バーツをイミグレーションに支払って90日のビザをゲットしたようだった。
何はともあれ、私はもうタイに滞在する費用は底を尽きていたし、帰るモードになっていたので予定は変わらない。
いま、タイで立ち往生している日本人には知って欲しい情報だろう。
無事に出国検査を通り、人気のない薄暗くて免税店も閉めている活気のない搭乗ゲートを歩いて、Smoking Killというシャッターがされた免税タバコを買うために免税店に入った。
しかし、私がタイで吸っていたキャメルは、1カートン650バーツではないか!
コンビニでは1箱60バーツなのに…
マルボロは売っていなくて、ラッキーストライク650バーツ、メビウス650バーツとなっている。
しょうがなく、650バーツの気持ち悪い写真のキャメルイエローを買い、喫煙所はどこか店員に聞くと、無いと言われた。
どうやらコロナの影響で、空港内の喫煙所は全て閉鎖されているらしい。
仕方なく、搭乗ゲートの前で携帯やパワーバンクを充電しながら搭乗開始まで待った。
高級感のあるJALの機内は、優雅で清潔で洗練されている。
何が良いかと言うと、何時間座っていても疲れないシートだった。
エアアジアのシートは、長時間座っていると発狂しそうになるほど、座り心地が悪かったのだとわかった。
前の席に膝は当たらないし、若干横幅も広いし、良いシートはリクライニングできなくても、心地よく座って眠れるのだ。
そして、3列4列3列の私の横には反対側まで誰も乗っていない。
前後には客がいたが、見事にガラガラなのだ。
定刻通り、暗闇の中私を載せた機は離陸し、バンコクの街の明かりが眼下に見えてとても美しかった。
各座席にはモニターがあり、映画やゲームやショッピングが楽しめる。
暫くすると、機内食が配られた。
白身の魚のフライと、ごはん、ふきの煮物、うどん、フルーツなのだが、とても不味い。
タイで作られたものだからだろうか。
気圧のせいで舌がバカになるらしいけど、ライスはあきらかに舌ではなく、焚き加減がおかしかったり、酷いものだった。
しかし、飲み物のサービスはすごい。
白ワインに、緑茶に、リンゴジュース、味噌汁など。
小さなボトルワインはなかなか美味しかったけど、長いことアルコールを口にしてなかったので、半分残してしまい酔っぱらった。
そして、スターウォーズ、スカイウォークのなんとかを観ながら、予想通り面白くなかったので、途中で前に英語でしか観てなかったジョーカーを日本語字幕で見直した。
昼間する事がなくて寝過ぎたので、全く眠くなく、気がついたらあと40分で到着するという。
約5時間半のフライトは、JALの快適さなら苦にならないという結果が出た。
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