朝の4時半、起きるとバンコクに着いていた。
降ろされたのは、チャットチャックという北の方のバスターミナルに降ろされたようだが、オフラインマップをダウンロードしていなくて、現在位置がわからない。
とりあえず、バスで貰ったコーヒーを飲もうと、声をかけてくるタクシーの運ちゃんを振り払った。
タクシーの運ちゃんと話してると、BTSの駅まで100バーツで行くという。
因みにバイクタクシーだと50バーツらしい。
目的地であるラムカムヘンまでは、25キロあり、250バーツで行ってやると言うけれど、バス代と合わせると列車の二等寝台と同じくらいになるのでやめた。
バスターミナルには、インフォメーションがあり、ローカルバス停がセブンイレブンの裏にあると地図を使って丁寧に教えてくれた。
人の流れに沿って怪しい店が立ち並ぶ路地を歩いていくと、見慣れたオンボロのローカルバスが沢山停まっている。
バスの運転手にラムカムヘンに行きたいと尋ねると
「直接は行かないが、乗り換えする場所を教えてやるから乗れ」
と言われて、窓の開いたボロボロのバスに8バーツ払って乗り込んだ。
どこかのバスセンターで降ろされ、137番に乗れと言われた。
137番はエアコン車で、次の停留所がモニターに映し出される。
バンコクは蒸し暑くて、夜明け前は街の汚さがよくわかる。
またあのネズミとゴキブリと蚊だらけの通りにある宿に泊まるのかと思うと、あまり嬉しくない。
バンコクはコロナ以前にマスクが必須なほど、排気ガスで空気が悪い。
しかし乾季の時ほど乾燥していないので、湿度があるから多少は空気も綺麗かもしれない。
バスの添乗員に起こされて降りた場所はどこかわからなかった。
雨が降り続き、バス停で待っている人に、
「スカイトレインの駅ラムカムヘンはどこですか?」
と尋ねると指差され、バスで行けると言う。
タクシーに乗ろうか迷ったが、向かい側のバス停で尋ねると、
「このバスに乗るといい」
というので満員のバスに乗り込み、14バーツ支払った。
どうやら北の方で降ろされたらしく、空港行きのモノレールまでは距離があった。
タイのバスは添乗員がいて、目的地を告げると教えてくれるのでとても助かる。
雨が降る中、やっとバンコクコミューンという宿に9ヶ月ぶりにたどり着いた。
なんとなく、寂れていて色々と放置していて乱雑になっているのがわかる。
オーナーのベスにLINEで着いたと知らせると、使って良いベッドを教えてくれたので、荷物を置いて近所のハラル(ムスリム料理)食堂で、チキンとジャガイモのカレー40バーツを食べ、朝市で魚のフライを25バーツで買って食べた。
魚はナマズと思ったが、鯉系の魚で少し臭くて失敗した。
目が覚めると、10時ごろでその宿に長期滞在しているM君も起きてきた。
彼とは前日から連絡していて、9ヶ月ぶりに再開したのだ。
再会を祝して、一階のロビーで久しぶりの会話を楽しんだ。
彼も日本語に飢えていたようで嬉しそうだった。
彼はBTSのチケットを使うために郊外のBig C(ショッピングモール)に行くと言うので着いていくことにした。
BTSエカマイ駅までは軽トラのソンテウで10バーツ。BTSでBig Cまで41バーツ、Big Cのフードコートでコーヒーを飲みながら、女子高生にまみれて女子高生のように会話していた。
私は40バーツの汁麺を食べて、デパ地下のような惣菜コーナーで買い食いしたりして、おじさん2人でデートのような事をしていたが、そんな事さえ飢えていたので関係ない。
帰りもBTSに乗り、ソンテウに乗って帰ってきたが、やはり長く田舎にいたのでバンコクの排気ガスが我慢し難い。
浄化されていた自分がみるみると汚れていくのがわかった。
宿に戻ると、薄暗いロビーで寂しくパスタを食べているアハメッドが私の帰りを喜んでくれた。
夕食はM君が残った食材を消費すると言うので、久しぶりに牛肉をご馳走になった。
玉ねぎや香草と牛肉と鶏の胸肉を煮込んだ、炒め物と、ジャガイモのスープを作ってくれて、自分には無い男らしくて西洋風なメニューに驚いた。
味はともかく、新鮮で心がこもっていたのでありがたかった。
オーナーのベスにも久しぶりに会えて、嬉しかった。
この宿は私にとってもうひとつの故郷となっていたのだ。
久しぶりに兄弟に会えたような…
ベスト話していると、ミカエルというイタリア人がチェックインしに来た。
彼はドバイで乗り継いで帰るらしく、なんと飛行機に乗るのにPCR検査で陰性の証明書が必要なのだそうだ。
タイの病院でPCR検査を受けるには2000バーツ(7000円ほど)必要となる。
もしかすると、ドバイで乗り継ぐので必要なのかもしれないが、JALでは必要ないのか心配になった。
宿にいるイラン人が言うには、2000バーツ支払えば1ヶ月ビザの延長が可能だとか。
それは、帰りの便が見つからない場合や入院している場合であり、大使館の手紙が必要だったりする。
しかし、彼が言うには国によって違うと言う事だ。
色んな情報が出国3日前に耳に入るが、何を信じるべきか、人の発言をいちいち調べるのも面倒なので自分を信じることにした。
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