ミャンマー南部ヒッチハイク ボッピンからミェイクまで

ボッピンの安宿で目覚めた私は近所でモヒンガーを食べ、宿の代金を支払い街を歩いて出た。8時なのにすでに日差しは強く、バイクでの日除けのための長袖と長ズボンが暑くて汗が出る。そんな日に限って車に乗せてもらえるし、なかなかバイクは捕まらない。乗せてくれた車もかなりの短距離だったが、バスらしきミニバンが止まってくれた。他の国では考えられないが、タダで目的地のミェイクまで乗せてくれるという。ミェイクまでは約240km。韓国製のKIAのバンには9人と運転手が乗っていて一つの補助席が空いていた。その補助席の背もたれは壊れていて傾いたままだったが文句は言えない。後ろのオバちゃんがタウリンの入った甘ったるい栄養ドリンクをくれた。

満員のバンは舗装が悪くてカーブのきつい山道を限りなく進んでいく。ミャンマーの南部は広大な椰子畑が永遠と続いている。1人の男性が降りて後ろのオバちゃんの隣に座ることになった。シートはかなり良くなったが、とにかく狭い。オバちゃんの足がピッタリとくっ付いていて、カーブで体が触れ合う。日本人だと隣の人が男で飛行機などで体が触れるとかなり嫌なのだが、何故かミャンマー人とは何も感じない。犬が背中を脚に付けているような感覚なのだ。

長時間バスに揺られ昼の3時にミェイクに辿り着いた。途中何度か乗客が入れ替わり、ミェイク近くになると平地が多くなり、それまでの椰子畑は無くなり、田んぼが広がり美しかった。

ミェイクはかなり大きな街で、ドライバーにホテルは予約しているか聞かれたがしてないと言うと、北のホテル街で降ろされた。しかしどこも高級ホテルで一泊46000チャット、持ち金をオーバーしていた。オフラインアプリでゲストハウスを海近くに見つけたので、まずはそこに行ってみることにした。ミェイクでは簡単にバイクの後ろに乗せてもらえて、二台目でホテル前まで送ってくれた。

ホワイトパールゲストハウス

レセプションで値段を尋ねると、一泊16000チャット(約1200円)が最安の部屋だった。バス代の事を考えるとここで泊まることにした。部屋は扇風機があり、天井は高くツインの部屋でベッドには分厚いマットが嬉しい。蚊帳がないのに窓を開けっ放しと言うことは蚊に悩まされる。ここで押すだけベープが活躍する。窓を閉め、扇風機を止めて3回シュッとすると、見えなかった蚊がどんどん落ちていく。小さなゴキブリも慌てふためいていたが、ピレストロイド殺虫剤はゴキブリには効かないようだ。前の客が何か部屋の中で食べたのだろう。小さなゴキブリが多くいたが南京虫ではないので気にしない。鉄製のベッドなので南京虫は居ないようだ。シャワーは水だが冷たくはなく勢いが良すぎる。久しぶりにドイツ人と日本人と会話した。

宿の近所を歩くと、目の前に海がありかなり汚れていたが、港町だからしょうがない。海沿いの屋台ではエビやイカの料理が1000チャットで食べれる。ご飯は600チャットで、計1600チャットだった。私が数あるトレイから選んだのは小さなエビと油の炒め物で、油はバターを使っている。かなり濃厚な味になっていて、全部食べ終わる時には少し受け付けないほどだった。

街を歩くと不思議な食べ物を見かけたので食べてみた。500チャットで皿に少量盛られたサラダのような、マリネのような、メインは深い緑色のペーストで、キャベツの千切りとトマト、ナッツ類、オニオンフライとプライドガーリックが乗せて油をかけている。ライスも麺も出されない。食べてみるとかなり美味しい。確かにライスには合わないが、米の麺には合いそうだ。フランスパンに乗せるのがベストだが、ここにはパン屋はあっても粉っぽい生焼けのようなパンしかない。

三重から来た置屋好きの日本人と長いこと話していた。確かに女子に声をかけるようなタイプではない。シャイな日本人のために風俗はあるのだと実感した。彼の目的はセックスなのだろう。バンコクで出会ったナイトクラブのコといい彼といい、なんだか別次元の人のような気がして寂しくなる。セックスが目的でない旅行を共感できるのはドイツ人とフランス人なのか。

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