2016年8月4日

中国：再び四川省の康定へ

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コンカユースホステルで朝を迎えたぼく達は、バスターミナル前の麺屋で牛肉麺を食べた。
牛肉麺は、中国の代表的なラーメンで、牛骨スープのシンプルな麺料理。各地方で具材が違うようで、四川ではラー油多め、花椒、唐辛子が入っている。
四川料理には欠かせないこの麻辣(マーラー)。火鍋にも炒め物にも、ラーメンにも使われている。
麻は花椒という舌が痺れるスパイスで、麻婆豆腐を食べきれないほど痺れた思いがある。辣は唐辛子の辛さで、この二つと油を組み合わせると、四川料理の出来上がりとなる。
やはり日本人としては出汁があまり効いてないので物足りなく感じる。味の素はすごい。
そういえば、チベタンのカトリーナのおじいさんは中華カップ麺のかやくや粉末スープを取り払って、麺とお湯だけで食べていた。でもバターは飲むほど好きらしい。
彼女は朝から汚い麺屋と麻辣で気分を悪くし、一緒に宿へ一旦帰った。そして、ランチに昨日見たパイナップルカフェというウエスタンスタイルのレストランでパスタを食べることにした。パスタは2種類あり、彼女はミートソースを選んだ。少し麺が柔かったがなかなかの美味しさで、ぼくが注文した焼き飯も、野菜が沢山入ったマレーシア風フライドライスで美味しかった。食事中に喧嘩になったぼく達はカフェを出て別々に帰った。1人で宿へ帰っていると、宿の女マネージャーとボランティアの女の子と3人で彼女は病院にいくという。誘われたので、ついていくことにした。彼女は、前の日に南京虫にやられていたのだ。その南京虫をホステルのロビーで見つけてしまった。彼女は逆上してマネージャーに訴え、宿泊部屋は消毒することになった。そして責任を感じたマネージャーは彼女を病院に連れて行く事にしたようだ。しかし、虫の現行犯ではないのでなんとも言えない。他の宿でやられたのかもしれない。彼女は他にも首のあたりに赤い斑点があるのを気にしていて、体の不調を訴えていた。市場の向こうに大きな病院があり、診察を受けて塗り薬をもらった。医者の診断は、虫刺されと蕁麻疹だった。その後、合流した2人のボランティア女子と6人で涼粉というデザートを食べにいった。涼粉さ寒天のような透明の半固体の柔らかいものに、黒蜜をかけただけのシンプルなデザートで、町のいたるところで見ることができる。味はシンプル過ぎてイマイチだった。次に注文した生野菜とコンニャクのようなものに麻辣ソースをかけたものが美味しかった。

コンカユースホステルでは何泊かしたので、次第にスタッフと仲良くなり、宿泊客ともよく交流していた。まるで学校の合宿のように、いや学校より色んな国の人と交わることができた。皆バックパッカーなので英語はある程度話せる。なかには興奮した中国人の女子が片言の英語で一生懸命ぼくに話そうとするのが、とても素朴で可愛かった。まるでテレビに出ている芸能人と話すように。多分、日本人や韓国人は、テレビでしか見ることがなかったのだろう。そして日本はその起業力やブランドの品質として、韓国は芸能人とドラマの品質として尊敬されているのかもしれない。ぼくも子供の頃から中国の映画は見ていた。ジャッキーチェンのアクションとカンフーは今でも尊敬している。そして、中国の山奥に来て更にその尊敬と偉大さは身に沁みた。

その後、スーパーで買い物をし、皆んなで歩いて宿まで帰った。彼女が病院からもらった薬は、飲み薬が一つと、強烈な匂いの塗り薬が三つあり、身体中に増えだした赤い斑点全てに3種類の薬を塗らなければならない。流石漢方薬の本場だけあって、茶色い液体噴霧や、チューブに入った茶色い練り薬など、嗅いだことのない植物系の匂いがする。