PILGRIM 2018 日本福岡から台湾台北の巻

台湾のLCCタイガーエア

福岡の朝方は10度を切る寒さとなり、風邪を病い、青っパナが垂れる頃、全てを捨てる決意のもと、いや、捨てきれるはずはないが、そのくらいの覚悟で今回の旅を始めたのだった。
台湾のタイガーエアというLCCで、福岡から台北まで片道7000円ほどのチケットをゲットし、観光の外国人で混雑する福岡空港に再び足を運んだ、
その日は殆ど眠れずに、高速バスに揺られて、空港に着いたのは午前8時ごろ。出発時刻は午前10時55分だった。
タイガーエアは、チェックインを開始し始めたところらしく、セキュリティチェックに人は並んでいなかったのは、かなり嬉しい。
セキュリティチェックで2つ持っていたライターの1つを没収されつつ(機内持ち込み1個なら許される)、まだ数人しか並んでいないチェックインカウンターの前に並んだ。
カウンターの前には、荷物のサイズを測る器具が置かれていて、四角い頑丈な枠の中に収まらなければ、追加料金を支払わなければならない。
上下グレーの服を着たお坊さんが、スーツケースを入れようとするが、取っ手の部分が入らずに、悲しそうだった。
少しも融通が利かないのかと、見ていたが、よくわからなかった。
タイガーエアのエコノミーは、機内持ち込みの手荷物が、その立方体の中に収まることと、と、重量が合計10キロまでということ。合計というのは、手荷物が2個までということ。
そんな小さな荷物で旅行するのはぼくぐらいだろう。手さげカバンと30リットルのザックで合計8.5キロだった。因みに追加料金は4900円らしい。

無事、チェックインが終わり、手持ちの日本円を1階にあるセブンイレブンで口座に入金。これで、デビッドカードが使えるようになった。日本最後はセブンイレブンの唐揚げ弁当を4階の人が少ないテーブルでのんびり食べた。
税関と出国審査をのんびり通過して、一番端っこにあるゲートへ。
緊張と不安のせいか、目は冴えたままで、黄色いロゴが可愛いタイガーエアへのタラップを登った。
座席は窓際をカウンターで指定したせいか、ぼくの隣ふた席は誰もいない。
福岡から台北までは約2時間半。離陸したと同時に、入国審査のカードが配られている気配を感じながら意識が遠のいていった。
目がさめると、かなり下に雲の海が広がり、天上界を思わせる強い光が窓から差し込んでいた。
シートベルトを緩め、となりの座席に脚を放り投げ、リラックスしたが、眠れない。
そうこうしていると、機体は高度を下げ始めた。
旋回しながら、薄い雲の切れ間をくぐって、機はゆっくりと湿った空気に覆われた台湾の桃園空港に着陸した。
暑い空気が飛行機のドアと空港への連結部分から入ってきて、空港内の冷房に切り替わった。
長い動く歩道を渡り、やって来ました、長蛇の列の入国審査。まるで迷路のように、区切られた通路をクネクネと回らせられること、30分?幸いにも福岡空港とは違い、何人アクセスしてもパンクしないWi-Fiが完備されているところは嬉しいが、皆すぐに飽きてしまう。
しばらくして、やっと入国審査を通り抜け、税関のチェックも緩やかに通り、次なる難関はATMによるキャッシング!
ゲートを出てすぐ左にあるATMでは、2回もエラーになったので、とりあえず、列から脱離した。
そして、解説サイトを何個かよく見てその通りにやると、うまくいった。3000元(約11000円)ゲット!1時間近く要しただろう…
コンビニでレトロな80円くらいのカップ麺を買って、水筒に水を入れて空港のベンチで食らい、スマホとiPod をしばし充電した。
となりに座っていたメガネをした中国系のおじさんに、指で自分の両目を指差し、それを充電中のスマホと、自分の荷物を指差し「見ていてくれ」と頼んだら、頷いてくれた。ぼくはトイレを指差して「トイレに行く」とジェスチャーした。
こんな無言の言葉に頼らないコミュニケーションが大好きだ。
帰ってきて、ちょっと会釈して感謝を告げた。
台北市内まで、空港からバスで1時間ほど、バス代は120元(500円ほど)。
バスは満員だけど、USB電源があり。スマホを充電しつつリクライニングして爆睡。目がさめると、台北駅だった。
そこから、歩いて宿まで行こうとした結果、とてつもなく疲れ果てた。自分の縄張りを見て回る獣のように、徘徊しつつ台湾の空気を感じたかったのだ。
台北駅から東に向かって歩き出したが、気温は高く午後3時だったので日もまだ高く、レギンスに半ズボンが暑かった。駅近くには、アウトドア屋が沢山軒を連ね、パタゴニアやアウトドアリサーチ、モンベル、MSRなど、人気ブランドが勢ぞろいだ。歩道にはスクーターがズラリと並んでいるが、ベトナムとは違い、整頓されていて、ゴミも見当たらない。台北はレストランの前に椅子があり、タバコを吸えるようになっている。途中でベンチに座って休憩すると、となりのベンチの現地の田舎もん観光客らしき男性が、失礼にもスマホをこちらに向けて、断りもなしに写真を撮っているではないか。疲れて怒る元気もなく、バスはあるか?と尋ねるが、わからないという。彼は団体客と一緒にツアーバスに乗り込んでいった。
台湾人か中国人かわからないが、チベタンにカメラを向ける中国人を思い出した。
たしかに台湾人は日本語が少し話せるし、英語も堪能な若者が多いが、それは日本人が訪れたことのある観光地ならどこでも同じではないだろうか。
しかし、一歩路地に入った時のゾクゾクとする感覚は成都以来のものだった。
ぼくはそのゾクゾクを味わいに旅している。黒く汚れ、自然に帰りつつあるビルに灯りが見えると、木のウロに住みつく動物のような、日本に失われた原始的な息吹が感じられる。
そのビルを覆うように生える熱帯の植物もまた、原始的だった。
疲れ果てたぼくは、フリーWi-Fiを見つけて、Googleマップで宿までのバスを探した。
目的地は、松山(ソンシャン)駅という場所で、ラオへ夜市の近くだった。

巴客来青年旅館 Taipei Livepal Hostel

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