その日は、クリスタに連れられて、技術大学の博物館に行った。博物館に乗り気ではなかったぼくが、結局一番興奮していた。からくり箱の開け方で奮闘したり、なぜかソビエト連邦のプロパガンダポスターがあったりして楽しかった。
その後、クリスタと同じ地元オクラホマの友人の男性と、駅で待ち合わせていたので、ついて行った。彼は、タバコをよく吸い、ガラの悪そうな態度だったが、いい奴なのだろう事がわかった。彼はクリスタとしか話さず、クリスタは、ぼくのことを気にかけていたのが、彼には気に入らなかったのだろう。一旦クリスタのアパートに3人で帰ると、クリスタはぼくに、荷をまとめる様に言った。どうやら明日のフライトに間に合わなくなるかもしれないことと、アレックスが高雄から来ていて、一晩クリスタの家に泊まることになるからだ。言われるまま、荷をまとめるると、3人で歩いて駅の方へ向かった。途中、KINKSという、クラシカルでお洒落なカフェバーで、ぼくはコーラを、彼らはビールを飲んだ。その後、ぼくが寝ていた公園の向かいにあるクラブの様な箱で、色んな人に出会った。ポトにも再開できた。気がつくと、クリスタとアレックスは居なくなっていた。捨てられた犬のように、ぼくはザックを担いで、公園にハンモックを張るのだった。
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