かなり意地の悪いのバスの運転手に当たってしまった。空港行きの5番のバスに乗ろうと、エアポート!!??と聞いたところ、そのオバさん運転手は頷くだけ。そして、眠りこけてしまったのが悪かった。終点まで行ってしまい、ハロー!ニーナリ!?と大声で起こされた時は誰も乗っていなかった。エアポート…と言うと、なぜか中国語で怒鳴られた。
まあ、逆のバスに乗ればいいかと、反対側のバス停で待っていると、同じバスが引き返してきた。そして、またエアポート?と聞いたにも関わらず、運転手の後ろに座ったのにも関わらず、空港を通り過ぎて5個ぐらいバス停を過ぎてしまったのだ。チーシャ!と言っても、無視された。どうやら降りる呼び鈴を押さないと止まらないという、ポンコツロボット並みの思考回路しか持ち合わさないカチカチの年増女性だったのだろう。まあ、押しボタンを押さなかったのが悪かったのだが、わざと押さなかったのもある。結局三回バスに乗る羽目になった。
台南の空港はバスターミナルほどの小ささで、中(搭乗ゲート前、出国あと)にもレストランくらいあるだろうと、タカをくくっていたら、小さな土産物屋とタバコ屋くらいしかなかった。それなら、出国手前のカフェでサンドイッチでも食べるべきだったが、ちょっとワガママを言ってみた。残金は110元、サンドイッチが100元。出国審査官に尋ねると、30分後に搭乗だから待て、と言う。どこでも女性ではなく男性の方が融通が利くのを承知のぼくは、そのおじさん審査官がオッケーと言うのを知っていた。何故なら、中に入るとメシを食えないからだ。VOIDの判を押してくれて、税関員に掛け合ってくれたが、頭の固そうな小さな税関員のおじさんは、訳がわからない様子で、騒ぎ立てる。若い税関員は、バッグの中を見せろと言い出す。なぜ?と言うと、ちょっと待てと、全員イレギュラーな対応に戸惑ってフリーズしてしまうのは、古いコンピュータのCPUのようだ。何人もの税関員に説明する小さなおじさん。多分「おーい!この日本人が飯が外で食いたいって!どうしたらいいんだがや!?」「一旦入ったんだから外に出られないだがや!」「しょうがねえ、中にゃ飯屋がねえだもの」「もう搭乗の時間じゃないだがや?」「あと30分後だがや」その内、チェックインカウンターのウォーキートーキーを持った女性が、やってきた。なんだか話がまとまらないようなので、この荷物はここに置いていくから、すぐそこのカフェでサンドイッチを買うと言うと、それならと納得したようだ。皆さん大丈夫か?
カフェに行くと、サンドイッチは10分かかると言う。何がすぐできるかと聞くと、そこにあるパンだと。しょうがなく、そのパンを100元で買い、再び持ち物チェックを潜り、荷物を持ってハンコを押してもらった。10元で自販機の水っぽいコーヒー牛乳を飲みながら、パンを食べると、物凄く美味しい。さすが400円とるだけあるなと、一斤全部食べた。
ベトジェットの裏ワザ
今回プロモという、一番安い380円というチケットを手に入れたのだが、空港使用料や、燃料やらで8000円になった。明細を見ると、受託手荷物20キロまでの1900円が支払われている。ということは、チェックインバゲージは20キロまで無料なのだ。因みに機内持ち込みは7キロまでで、タイガーと同じくサイズも決められている。しかし、登場する国や地域にもよるだろう。日本は融通が利かないが、台南は7.8キロのザックと、手さげカバンで、9キロほどだったが、次回から気をつけてね。で大丈夫だったし、帰りのチケットの提示も求められなかった。そして、またしても、窓際をお願いすると、今回だけですよ、本当は席を選ぶのは有料です。と言われつつ、三列の席の2つは誰も座っていなかった。これは、どの航空会社でも共通のようだ。
前の席の子供と遊びつつ、ホーチミンまたの名をサイゴンに到着。そして、お約束のイミグレーションに長蛇の列。1時間ほど待って、帰りのチケットは?と聞かれた時の答えを練習。案の定、イミグレーションのおじさんは、リッチャンチケッ!と言う。バスでカンボジアに行くと粘るが、ノー!ビエトナム ニード リッチャンチケッ!と、おじさんも粘る。こちらもバスでカンボジアに行くと一点張り。本当しょうがねえなあ、みたいな顔してハンコを押してくれた。頑なにダメだと言われたら、なぜ航空会社は片道で外国人にチケットを売るんだ?と聞く予定だった。そして、なぜ台湾でのチェックインの時に復路チケットの提示を求めないのか?とも聞く。日本では必ずチェックインの時点で提示を求められる。だって、来てしまったのなら帰れとは中々言えない。まあ、何はともあれ、ベトナムに無事入国できた。そして、次はベトナムドンの入手だ。ネットの情報では、EXIM BANKというATMが手数料なしだとの事で、国内線まで歩いた。そしてデビットカードで、200万ドン引き出すと、すぐに口座から引き落とされる。10000円引き出して、差し引き260円の手数料?となる。他のATMだと4パーセント上乗せされるようだ。次はペンタンまでのバスに乗る。ローカルバスが一番安いのだが、100円だったので、シャトルバスに乗った。お釣りもちゃんとくれるし。
久しぶりのサイゴンはますます都会になっていて、新しいビルができたような気がする。そして、ペンタン近くの豪華なフランス建築のホテルがカッコいい。その並木道の木の背の高さに圧倒される。ビルの10階分もある木々と、カビて汚れたビルが、なんとも言えない雰囲気を醸し出し、ナウシカの世界のようだ。
一泊3.5ドル約400円の宿
Booking.comで予約した、最安ドミトリーは、クリスタの指定だった。Googleマップを頼りに、ツーリストでごった返す、カオスな通りのど真ん中にある、リーホステル。ベトナムのホステルやゲストハウスは、エレベーターなど無く、2階が1階の計算で始まる。部屋は5階なのに、6階分の階段を上り下りしないといけない。繁華街に近いほど、安いほど上の部屋になる。
部屋には、南アフリカの黒人と、バングラデシュの青年が住んでいた。とりあえず、自己紹介して、空腹を満たしに出かけた。クリスタは外出しているようだ。適当に歩いていると、露店では無く、室内にテーブルがあるフォー屋さんを発見。何故か店の中にバイクが並んでいる。そして、260000ドン約130円のフォーを注文して、ベトナム人のおじさんと相席になった。写真がないが、細い麺のフォーに、揚げ春巻きと、鳥肉、燻製が入って、ザルにいっぱいの、レタス、バジルが盛られる。そして、テーブルにあるバケツの甘くて冷たい出汁をかけて召し上がる。これがウマウマでビックリ。同席のおじさんと、バイクについて英語で語り合うと、ぼくの分まで払ってくれた。その後、どこかに行くか?予定は?とその男性に聞かれたので、一緒にバイクの後ろに乗せてもらった。そのフォー屋は、なんと店の中に駐輪場があるのだ。店の前に止めると駐禁を切られるらしい。
夜のサイゴンの街を、車やバイクの隙間を縫うように、血流のように流れて行く。次第に町外れの新興住宅地に連れていかれた。人気がなくなって、ぼくは些か心配して来た。この男は詐欺師で、目的地には仲間がいて身ぐるみ剥がされるのではないかと。しかし、メシ代を奢るなど、手の込んだ事をするだろうか。半信半疑のまま、折り返して帰ってきた。彼は本当にただの良い人で、妻が6ヶ月の子供と実家に帰っているらしく暇だったのだ。そして、日本人が好きだったのだ。ぼくはお礼にコーヒーでも奢ろうと、宿の近くの歩道の珈琲屋でアイスコーヒーを注文した。彼はコーヒーも酒もタバコもやらないらしく、ココナツジュースを飲んでいた。何だか居心地が良くないらしく、彼は、じゃ!帰るわ!と名刺をくれてバイクで帰って行った。
夜の街を歩いていると、同じ部屋のバングラデシュ人の青年に出会った。しばし公園のベンチで話していると、彼は建築家で勉強しているらしい。というのは表向きで、目が少しロンパっている。どうやらスモーカーらしく、酒もタバコも大好きで、ヒンドゥー教徒らしい。彼とビールを飲み、遊んだ後、宿でようやくクリスタと再会した。彼女はぼくに会えて嬉しかったようで、何度もキスをされ、ドミトリーのベッドで上に乗られてハグされた。まるで大型犬だ・・・
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