アンコールワット入場料1日37ドル?
世界的に有名なアンコールワット。幼い頃に「世界の七不思議」的な幼児向けのハードカバーの本に、マチュピチュと並んで乗っていたような気がするが全く興味がない。そして入場料がディズニーランド並みの値段で、1日37ドル、3日券62ドル、1週間パス72ドルですってよ!それでも日本の学生達は安い宿に泊まって1週間滞在している。
観光しない旅行なんて意味ないのでしょうか?否、観光しかしない旅行の方がぼくにとっては楽しくない。だもんで、有名な観光地には全く訪れていません。
外が全く正月気分ではない。
宿から徒歩数分にあるローカルな市場は相変わらず賑わっていて、砂埃もいつもと変わらない。とりあえず、砂けむりをかき分けて朝メシを探す。
フードスタンドで、ワッフルを焼いていたので、値段を聞くと30円くらいだったので、2つもらう。更に別のスタンドで、膨らんだ揚げパンを2つ買って60円。中々こねているモチモチのパンを貪りながら市場を練り歩く。因みに餃子みたいに餡が包まれた揚げパンは、中にゆで卵も入っていた。外の生地の食感はサモサで、中はサモサより美味しいかも。その市場は、中の区画に入るとショッピングモールくらい広いスペースに、食材、衣類、日用品が売られている。天井は低く、テント生地か、園芸用の日陰になる黒いメッシュやパラソル。市場は朝だけで、昼過ぎると誰もいなくなる。魚屋には、雷魚かナマズが多く売られている。まな板と包丁で、キレイに魚の鱗を取っているおばちゃん達。それにしても、焼きたてココナッツワッフル美味しい。
本田便利50ccとの出会い
宿から1.8キロ先に、パブストリートという大きな繁華街がある。建物の暗闇の奥に、向こう側の光が小さく見える。その商店街の店の小ささと数に驚く。腐った木をめくったらハサミムシと、白蟻の大群を見つけた時のようなゾッとする感じに近い。そう、ここの宿にいると、身動きが取れない。まず、昼間の直射日光の強さが尋常じゃない。そして、砂の道を歩いてサンダルばきの足が砂まみれになる不快感。そして何より、ちょっと人通りの少ない抜け道に犬が必ず居て、人が歩いている方が珍しいらしく、吠え散らかして来るのです。夕方から夜は更に奴等の警戒が高まっていて、危険な匂いがする。そう、予定通りバイクを買おうと決心したのだ。
その日は昼から近所の英語ができるバイクタクシーの兄ちゃんの後ろに乗せてもらって、ATMで300ドル引き出そうとした。が、なかなか上手くいかず、手数料5ドル取られてやっと引き出せた。そして、バイク屋が多く立ち並ぶ通りに着いた。一番安いバイクでも400ドルすると言われ、300ドルでは難しいらしい。バイクタクシーの兄ちゃんに2ドル渡して、ほかのバイク屋を見て回ってみた。カンボジアは関税が少ないのか、トヨタの中古車やホンダの中古バイクが多く日本から輸入されていて、街中はレクサスやホンダの125ccスクーターのドリームが多い。プノンペンでは、ボロボロのスーパーカブ90をよく見かけたが、シェムリアップでは、ほとんど見かけなくなった。そして、3軒目の店で、一目惚れしたバイクに巡り合った!それは、ホンダのベンリイCD50だ。色は白に塗り替えられているようだったが、エンジンは見た感じ綺麗だった。メーターが壊れ、パンクしていて、ホイールもスポークではなく、スポーツタイプのものに変えられているという事は、カンボジアで乗り回されたようだ。店のウエストポーチに現ナマをたっぷり詰め込んだママさんに、値段を尋ねると、600ドルだという。560ドルまで負けてもらったが、それ以上は無理のようだ。他の店も見て回ったが、ホンダのチャーリーという、ダックスに似たタイプか、ヤマハのスクーターなら400ドルほどで買える。だが、気がついたときにはATMで更に300ドル引き出していた。どんな衝動買いだ。早速買ったバイクで宿に戻り、美しいフォルムを眺めながら一服して満悦するのだった。
そして過酷な原チャリでの東南アジア一人旅が始まろうとしていた。
果たして原チャリで国境は超えられるのだろうか?
何千キロもの旅にこの中古バイクは耐えられるのだろうか?
もし辺鄙なところで故障したら遭難するのではないか?
色んな不安がよぎる中、自分の中では期待と興奮の方が優っていたのだった。
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