シェムリアップからカンポン・スバイへ
1週間ほどいたシェムリアップを離れる事にした。目的地はラオス国境。
シェムリアップから、南東へ6号線を走り、62号線を北上し、64号線を東に進み、クロン・スタング・トレンへ行くルートだった。
今にして思えば、64号線を東に行くのが最短ルートだったのだが、なぜジグザグに行ったのだろう・・・
そしてナビの通りに進んでいたら、とてつもない悪路に入り込んでしまった。
ナビにはオフラインで使えるMapsMeという地図アプリと、Googleマップを使っているのだが、MapsMeの経路は容赦がない。基本的にカンボジアの道路は国道以外は舗装されていないようだ。
小さなオンロードバイクには荷台が無くて、荷物の置き場に困っていた。とりあえず、バックパックをタンクの上に置き、両足で支えるようにしていた。そしてサイドバックを後ろ座席のステップに肩ひもを掛け、後輪に垂れ下がるようにしていたのだが、これではウインカーに接触してウインカーを壊してしまう。
地面は細かい砂で、気を抜くとタイヤを捕われてしまう。しかもデコボコで非常に走り辛い。どんどん体力を消耗されていく。どうやら迷ったようだ・・・
道はどんどん悪路になり、人が通った気配がない。獣道に近いその道は、サバンナの中に消えたり、現れたりする。どれが道なのかガイドが居ないとわからない。そして、何度も引き返したりしながら、枯れた川でぬかるんだ。立ち往生してると、地元のオバちゃんが、「あーら、外国人が枯れた川の中で右往左往しているわ(笑)」という表情でこっちを見ていた。非常に恥ずかしかったが助かった。道を身振り手振りで尋ねて、ようやくデコボコの無い砂利道に出ることができた。バイクも疲れたのか変な音がする。
やっと、舗装はされていないが平坦な車が通れる砂利道に出ることができて、この上ない安堵感でエンドルフィンが脳内に分泌されるのを感じた。
国道6号線のまっすぐな舗装の良い道路をひた走る。道路の両側には地平線が広がり、カンボジアがほとんど平地だと実感した。時々道の脇に現れる高床式のトタン屋根で隙間の多い木造の家から子供達がハロー!と手を振ってくれる。
適当な道路脇の食堂で食事をすると、美人のママさんが赤ちゃんを抱いて写真を撮らせてくれた。
疲れたらその辺の間隔の良い木にハンモックを吊るして眠ろうと予定していたが、乾燥した平野の道の脇には、手頃な木が無い。そうしてると夜になった。小さな各集落では、結婚式の披露宴が、大爆音で開催されている。途中立ち寄った、質素な遊園地に寄ってみたり、そして時間は夜の9時を過ぎた。体力と尻の痛さが限界になり、この辺に宿はないか、民家で尋ねたところ、酔った主人がウチで寝ろと言ってくれた。奥さんは珍客にびっくりだが、嬉しそうだった。部屋の隅にマットを敷いてくれて、蚊帳も張ってくれた。そして、泥のように眠るのだった。
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