カンボジア スタントレン国境

バイクで国境超え:カンボジア、スタントレンからラオス、ナカソンへ

原チャリで国境は超えられるのか?

カンボジアのスタントレンから7号線を北上するとこ65キロほどで、悪名高きカンボジアとラオスをつなぐスタントレンの国境に到着した。

今回の原付東南アジア縦断の旅の見所、最初の難関であり『原チャリで国境は超えられるのか?』というテーマと課題を自ら儲けた結果報告である。

まずは7号線脇にある小さなローカル食堂で腹ごしらえ。
ハムとキュウリと砂糖マーガリンを塗ったバケットとなま酢を1ドルでたいらげた。そして写真のような平坦で直線の道路をずっと走るのだが、とにかく暑い。日差しよけに水色の軽量ユニクロウインドブレーカーを着ていたが汗で心地悪くなり、脱いで上半身裸で運転していた覚えがある。下はシェムリアップで買った綿の長ズボンを履き、靴はKEENのつま先を保護するサンダルを履いていた。

カンボジア側国境の対応

分岐点があり、『Cambodia Laos border』というサインが見えてきた。

そして、昼の12時ごろにカンボジア側の国境にたどり着いた。
立派な新しい建物の自動車レーンにバイクを停めて、建物の中に入ると、イミグレーションがあり、

「バイクでラオスに行きたいのか?まず税関に行け!」

と言われ、税関の事務所を探した。税関の事務所には鍵が掛かっていて、ガラス越しに中を覗いても誰もいない。横の事務所で尋ねると、

「今トイレに行ってるんだろう、数分まて!」

とのこと。自分もトイレに行きたくなり、行こうとすると、ちょうど税関員のおじさんがTシャツ姿で帰ってきた。
トイレは格別にキレイでタダだった。そして、事務所に戻ると、ダルそうに椅子に踏ん反り返っている税関のおじさん。
まず、バイクを買った時にもらった登録者カードと、譲渡書を見せろと言われ、見せると、

「カンボジアのバイクをラオスに持っていくには、こういう書類がいる。これを書いてやるから10ドルよこせ。なに?高すぎる?じゃあ幾らなら払える」

と、値引きカツアゲをしてきた。これは手数料だから値引きできないと言えば、納得して仕方なく支払う人もいるだろうから、言葉を変えるべきだ。
そして、バイクについて、

「借りたのではなく、買ったのか?いくらで?いつカンボジアに帰ってくる?」

と聞かれ、「帰らない。ベトナムか中国に行くつもりだ」

と答えると、「お前はバイクで国をまたいで旅行するのか?この書類は一時的にバイクを輸出するもので、期限は7日間だ。この書類がないとカンボジアからラオスへはバイクで行けない」

との事、そして沈黙・・・ なぜか税関員は困ったような素振りをしている。言っていることが本当ならば、すぐに追い返すはずだが、何かを待っている。すると、団体バスの添乗員が、沢山のパスポートを持ってスタンプを貰うために事務所に入ってきた。バスの添乗員はペコペコしながら、税関員2人に何千リアルかを渡し、10ドル札も一枚渡していた。2人の税関員は、そのままそれぞれの机の引き出しに一気にしまい込んだ。それを見てぼくは「サイテー」というような眼差しを彼らに向けていると困惑していた。

ぼくは、ほどいた荷物が心配になり、パスポートと書類を置いて勝手に事務所を出てバイクに戻り、荷を縛り直していた。
すると、若い税関員がぼくのパスポートと書類を持ってきて、

「行っていいぞ。ラオス側が受け入れればな」

と言う。
そのまま、イミグレーションに行き、「税関の許可はもらったか?」と聞かれたので「イエス」と言うと、出国スタンプを押してくれて、2ドルよこせと言う。2ドルならしょうがないと、10000リアル2.5ドル分支払った。するとお釣りはないと言う。ドルじゃなくてリアルだと10000だと言う。「うわ!セコ!」という目で見てやり、リアルを持っていてもしょうがないので、50円くらいのお釣りを手数料として諦めた。

ラオス側国境の対応

砂利道を数十メートル行くと、ラオスの建物があった。今まで通った国境で一番中立地帯が短い気がした。ラオス側では、タイミングが良かったのか、税関員も居なさそうで、イミグレーションで入国スタンプをもらい、こちらでも2ドル支払い、バイクのことはなにも問われずにあっさり入国できた。

因みに日本人はラオス入国の際は14日間はビザ無しで滞在できる。

路肩には背の高い木はなくて木陰が少ないものの、日本とは違って信号なんて無いし車も殆ど通っていないし、尻の痛さだけが不快で小まめに休憩しながら水分補給しながら少しずつ前進するのは悪く無い。

シーパンドンの船着場街ナカソン

ラオスへ入国すると、アスファルトが若干綺麗になった。

国境から13号線を10キロほど北に行き、左折するとナカソンという船着場につくはずだが、標識がないのでどの道から入るのかわからず、かなり迷ってしまった。白人のバックパッカーが必死の形相でヒッチハイクしていたが、原付だし荷物載せて居たので乗せてやれなかったのが残念だった。

思ったより大きな村?街?であるナカサンに到着。トラックにFRPのカヤックを積んだ白人団体が街の中心で降りて来て、ATMに並んで居た。どうやら島に渡るとATMが無いようだったので100ドル分引き出した。手数料は3ドル。

島にはバイクも持っていけるらしく、50000キップ約671円で島まで渡してくれる。ちょっと高いが、船着場に置いておく訳にもいかず、しょうがなかったが、持って行って正解だった。島は意外と広くてバイクは便利。

バックパッカーの聖地メコン川に浮かぶシーパンドン(4000アイランド)のドンデット島

木製の細長いボートを2台使い、板を渡してバイク用のフェリーにしている渡し船で、夕日の沈む流れの複雑なメコン川を哀愁漂わせながら進んで行く。

ドンデットは、ヒッピーの楽園とも言うべき、バンビエンに次ぐハッピーアイランドだ。バンガローは、30000キップから50000キップでダブルベッド。安いところは共同シャワートイレ。エアコンはなく、ホットシャワーも無いが、プライベートルームだったのでシェアすると良い。

イギリス人のおじさん客引きに導かれるまま、その宿に泊まることにした。彼は客引きして自分の家賃生活費をタダにしてもらって数年住んでいるらしい。バンガローは質素でボロボロだが、蚊帳があり、ハンモックがあり、川沿いに面しているのでロケーションは最高だ。レセプションで、イギリス人のオジさんはジョイントを吸いながら対応する所がユルユルだ。ウィードは幾らだと尋ねると、すぐにどこからか5、6グラム分の袋を持ってきて、「10ドルだ。これはドラゴンウィードと呼ばれている」と言って、喫いかけのジョイントをくれた。

その日の夜、ドラゴンウィードのTHCに酔い潰れ、疲れで熱が出ていたようでうなされた・・・

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