雲南式雑炸醤面(ザージャー麺orジャージャー麺)
雲南式の炸醤麺は、写真のように牛骨を煮込んだ出汁らしきスープに、ストレートの小麦麺と、若干の牛または豚の煮込みが乗せられたものが出される。そして、ステンレスのボールに入れられた、数々の具をトッピングする「具入れ放題」なので、モヤシ、高菜、沢庵、バジル、ラー油、ネギ、豆豉、ディルみたいな草を入れてみた。味はまあまあで、値段は10元ほどだった気がする。
他にも東南アジアに近いので米麺もある。しかし、久方ぶりの小麦麺!やはり福岡県民はストレートのかん水臭いラーメンが好きなのだ。あまり欲張って色々乗せすぎるとイマイチな味になると言うお手本。この麺屋さんは、宿の隣のビルの一階にあり、朝だけ営業しているようだった。味はともかく量や値段はおすすめ。
宿をチェックアウトして、VPNを通して予約したワンダーラストホステルなる宿を予約し、歩いて向かったのだが意外と遠い。繁華街やナイトマーケットがある地区から橋を渡って右に結構歩き、マップを頼りにしていたのだが、道と目的地の位置がずれていて、かなり探し回った。
ところでこの景洪を流れる川、カンボジアから訪れる先々で出くわす太陽か月のような存在のメコン川なのだ。チベットから流れるとてつもなく長い川のやっと中流域に来た訳で、川の色が鮮やかな緑色に変わり、透明度が増してきたようだ。それでも川幅は広く、川ではアオサ?をとる人もいれば、泳ぐ訳でなく気持ち良さげに浮かんで流される人もいる。確かにこの透明度なら泳げるかも・・・と思ったが、なにせ中国を流れる川なので産業廃棄物とかを上流で流していそうなので信用できない。
西雙版納尋常青年旅舍 Wonderlust Hostel
そして、やっと目的地の「尋常」と書いて「ワンダーラストホステル」と言うユースホステル(青年旅舎)に着いた。黒髪のボブで流暢な英語が話せる若い漢人女性と、内陸の方の少数民族的な顔をした若いボランティアの女性と、カナダのケベックから来たと言う学生ボランティアの女性が出迎えてくれた。
宿は階段を登ると、面に飛び出したウッドデッキがあり、屋根付きの野外スペースにはハンモックやソファーでくつろげる。街まで遠いのでマウンテンバイクが二台あって無料で貸してくれる。8人部屋のドミトリーは男女混合で狭いのだが、エアコンもつけてくれる。と言っても、かなり北に来たせいで日中は20度〜24度と上着を着る着ないかぐらいでかなり快適なのだ。
3階建ての屋上には屋根のある開放的なスペースがあり、洗濯物を干せるし、まったりヨガや瞑想をできるスペースでもある。宿代は400円ほどだったが、連泊すると安くなるようだ。ルームメイトは、狭い部屋ではなく共有スペースでくつろいでいる。
どうやら客は少ないらしく、学生ビザで中国に長く滞在している同世代のアルゼンチン人のおじさんがノンビリ何日も暮らしていた。ホステルやゲストハウスで長期滞在の外国人に出会ったのはどのくらいぶりだろう・・・
荷物を置いて、ハンモックで寝ていると、2匹の人懐こい子猫が居る。この子猫の白い方は警戒心がなく、すぐにズボンから上に登ってくるのだ。そして寝そべっている自分のお腹の上で心地良く寝てしまう。もう1匹の黒ずんだ子猫は目が悪いようで、ヨタヨタしながら警戒心も強く、あまり寄ってこない。
私は今回初めての「沈没」スポットを見つけてしまった。次第に仲良くなっていく宿のスタッフと住人と子猫たち。ボーッとできるハンモックでタバコが吸えるし、いつでもスタッフがお茶を淹れてくれて、お茶タイムになる。追加で三泊、もう三泊と次第に滞在を伸ばしてしまうと、なんと中国最大のお祭りである旧正月にぶち当たってしまうのだった。初めはプーアルや昆明や大理に行こうと思っていたが標高の高く、さらに北にある昆明や大理の冬を以前に体験したので、とてもじゃないが行ける気がしなかった。以前はルアンプラバンから昆明に着いた時、氷点下1度だったからだ。
宿のスタッフも「大理なんてとんでもない、ここで旧正月を過ごした方が良い」と言っていた。そして、ノービザで滞在できる14日間の大半をこの景洪で過ごしたのだった。
ラオスから北に登ってきて、どんどん寒くなっていくに連れて体調がよくなかった。旅の疲れと、寒い中をバイクで風を浴びていたのと、それに慣れてきていたバランスのせいか、倒れるほどではないが、咳が止まらず体がだるく、ここ景洪に着いて一安心してからは更に動く気になれなかった。中国に入るや否やPM2.5のことを思い出していた。10年前の上海はいつも霧で霞んでいて、数年前の昆明でも北京でもスッキリ晴れた日を見たことがなかった。それはインドでも同じことで、ある地域ではずっと靄がかかっている。日本のような島国ではなく、風が通り抜けない大陸ではよくあるようだ。
宿にはフリーのプーアル茶葉が置いてあり、中国人御用達のボトルを久しぶりに使っていた。ボトルに茶葉を入れて、熱湯を茶葉が浸るくらいに注ぎ、茶葉を洗ってお湯を捨てる。そしてボトルに満杯になるまで湯を注ぐと、茶葉はボトルの底に沈むのでそのままにして飲む。ハンモックに揺られながら、目の前のメコン川を眺め、子猫と遊びながら時々茶を飲んでいると、体が徐々に癒されていくのがわかった。
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