ラムカンヘンの1日

いつ寝たかわからないが、エアコンが寒くて、朝3時半に目が覚め、放尿と喫煙のために体を起こした。

エジプト人サッカー選手アハマドが一階のソファーに居て、随分早起きだなと驚いたが、話すとまだ寝てないらしい。エジプト人は気さくでフレンドリーで話しやすい。ドイツ人はフレンドリーなのが彼らのルールな気がして、内に硬さと真面目さと、プライドの高さがあり、日本人男性と似ているところがある。

今日は外出しないで、宿で過ごすことにした。遠出すると金を使ってしまうからだ。6時になり、ムスリムであるエジプト人アハマドはモスクに礼拝に出かけた。しばしベッドで横になり、9時に起きた。下着はつけずにパーカオマーを腰に巻き、タンクトップを着て虫除けと日焼け止めを脚に塗り、セブンイレブンでインスタント袋ラーメンを二つと、グリーンピースの菓子とを買って、隣の朝市で卵10個と、八百屋でパクチーとネギのセットを買った。占めて62バーツ約222円。宿に戻って器にラーメンを入れ、スープの粉を入れ、卵を落とした所で、キッチンに女性が現れた。ナイフを探していて、聞くと韓国人だった。

ヨンヒーさん56歳、リタイヤして各国を定期的に旅して10年らしい。ヨーロッパやアメリカはまだ訪れていないらしく、韓国から直接バンコクに昨日の夜到着したと言う。日本の伝統的な餅菓子と似た、韓国製大豆入り餅と、ウズベキスタン製のサラミを分けてくれて、一緒に朝食を共にした。年と国の近い女性と共に食事するのは実に有意義で楽しい。彼女は初見この宿を汚いと感じたらしく、今日チェックアウトして、別の宿に移るらしい。クリーンな韓国から来たから、最初は安宿が汚く感じるという。韓国もそれほどクリーンでは無いのだが…

日本もそうだが、歳上または同年の女性の傾向として、他の国の不潔さを口にして見下すことが、自分のアイデンティティを保つ秘訣にしている人が目立つ。とりあえず彼女とfacebookで繋がり、その後間もなくこの宿を後にした。

そして入れ替わりで一階に降りてきた、小柄な22歳のイスラエル人の男子。胸に大きな火傷をしていて、訳を聞くとパーイで熱湯シャワーが出てきてなったらしい。火傷について調べると、包帯は皮膚に付着するので、国際的なガイダンスでは、応急処置として、火傷は乾燥と感染を予防するためにサランラップを当てると良いらしい。しかし、日本では予想もできない事故があるものだ。給湯器メーカーのリコールと賠償が始まる内容の出来事だ。

暫くすると、新たなゲストが現れた。またまた若いドイツ人の男子だ。昨日話したドイツ人の男子は、向かいのベッドの上の段で寝ている。どうやら韓国人女性に下の段を譲ってやったらしい。紳士的。

そう、宿の目と鼻の先にミシンのあるお直し屋を見つけて声が出た。頭の中に井上陽水の「夢の中で」が流れる。暫しベッドに横にるといつのまにか寝ていた。時間は15時になり、散歩に近所をウロつく。近所の商店のオバちゃんの店が開いていたので、「ヘイ!マム!煙草は何があるかな!?」と、陽気に尋ねてみた。タバコはタイの名物、気分が悪くなるような写真が全面にあるL&Mのスリムが60バーツ。もう商品名すら見えないほど、内臓でも中に入っているのかと思えるようなパッケージになっている。巻きタバコは無いかとママに聞くと、タイ製の15バーツのが二種類あった。これは以前、パーイで買ったものと同じくらいの値段なので、かなり美味しくない葉っぱだと思われる。

とりあえず、内臓癌タバコを購入した。そして、えびせん5パーツと、ママのおすすめうまい棒のようなコーン菓子を買ってみた。暫くママと話して、LINEやっfacebookでママと繋がる事ができた。宿に帰ってえびせんとタイうまい棒を食べてみたのだが、えびせんは油で揚げたものの方が格別に美味い。タイうまい棒は量が多いが甘すぎる。5パーツではそんなものだろう。安いと色んな香辛料や化学調味料を入れるコストが無いので、シンプルで健康的な気がする。インスタントラーメンの材料を見てみても、日本のように色々なものが入っていないのがわかる。菓子を入れて取り敢えず空腹は落ち着いてしまった。

そして、宿のドイツ人やイスラエリと話し、のんびりした一日を送れる日だった。16時になり、散歩に出かけた。途中、ビニールシートを扱っている小さな店があり、表にあった子供用の折りたたみテーブルの絵が可愛くて写真に撮り!値段を聞いてみると、200パーツだと言う。800円くらいだろうか。そのまま夜市に行き、10パーツの炊きたてごはんと、20パーツの鶏の腸を炭火でグリルしたものが20バーツだったので買ってみた。大きな一枚肉は50バーツだと言っていた。夜市には他にも169バーツで肉や魚介1キロ分買える店や、卵も売っていたが、朝市の方が安いようなのは当然だろう。その焼き腸を一欠片つまんでみると、思った通りの少し苦味があり、歯ごたえがあり、内側に脂肪が付いている日本で言うホルモンであり、コテッチャンに近いようで、かなり気に入った。

早速宿に帰ってフライパンに油を引き、その細かく切ったその腸を入れてカリカリに焼いてみた。そして朝に買った小ぶりな卵を二つ混ぜて、フライパンに流し込み、ネギやパクチーと塩を少々入れ、ご飯の上に乗せ、カリカリ腸も乗せ、腸に付いていた辛いソースをトッピング。

中々有意義な満足のいく男飯ができあがった。その丼を食べながら、結局36バーツは使っていることになり、食堂で食べるのとコストは変わらない事に気がついたのだったのだ。

そして、年寄りに気を使って日本を持ち上げる話をしてくれるドイツ人の若者は、アニメの話から色んな話をしだし、自分と周囲のテンションを次第に上げていくパフォーマンスが上手なのがわかった。彼には友達が多いのだろう。イスラエリは皆似ていて、クールに装い、覚めた印象に見えるが、内面はとても幼くて、私は嫌いではなく、そのピュアな心が昔から大好きだった。

先ほどの近所の商店ママからLINEがあり話していると、ママの店の前には毎日屯して菓子をツマミにビールを飲んでいる男達がいて、店を閉めるのはいつも1時だと言う。だから昼過ぎてから店を開けるのだった。宿のある通りは交通量の多い大きな通りの裏通りになっていて、何軒もの似たような個人商店があり、どこの店でも夕方から店の前に男達が屯して何かツマミながら騒ぐわけでも無く、静かにビールを飲んでいる。それが楽しそうでは無く義務的になっているのは当然だろう。ママの店の前に屯しているのはミャンマー人であり、問題を起こしたことは無く、毎日たっぷり飲んでくれるらしい。駄菓子屋であり、タバコ屋であり、酒屋である下町の商店は、角打ちになっていて、私が日本でいつも巻きタバコを買っている商店も同じ雰囲気を持っている。

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