バンコクに一番近い瞑想センターへ

朝8時に起きて荷物をまとめ、名残惜しいがバンコクコミューンをチェックアウトした。

スマホを見ながら細い路地を歩いていると、頭に強い衝撃がした。潜るべきコンクリートの橋桁に衝突した。幸先悪し。北へ向かって川沿いに歩き、東へ向かう幹線道路の交差点まで歩き、ダンボールの切れ端を見つけて、それにタイ語で「チョンブリ」と書き、止まっていたバスにそれを見せると、親切にバスに乗せてくれて、地図を書いてくれた。その通りにバスに乗ると、郊外へ行きたいのに何故か中心の方へ。以前両替したショッピングモールへ着いてしまった。よくわからないが、列車で東へ行けということなのか。せっかくなので両替しておこうと開店の時間まで待つことにした。

実はエカマイにはパタヤ方面に行くバスターミナルがあるのだ。

噴水のところで痩せた白人が水に手を入れて何やらしている。「何してんだ?」と尋ねると、噴水にこびり付いた藻を手で救って「変な感触だ」子供みたいにと嬉しそうに言う。ああ、こりゃぶっ飛んでるな、朝からLSDでも食ってるのかなと思った。「噴水を掃除している僕のために寄付をもらってきてくれよ」と、冗談を言ってるが笑えない。

10時の開店を待つとき、次第に体調が悪くなってきた。眼球を動かすと光に反応して視神経がズキンズキンとする。悪寒もする。歩くのが辛いが、銀行まで登っていくと、銀行は11時からだと。仕方ないのでスーパーリッチを探すがなかなか見つからない。スーパーリッチは10時半からだ。1万円を両替できた。重い体とフラフラする頭で丸亀製麺の素うどんを食べ、外に出た。列車には乗りたくないのでバスの行き先を見ながら適当に乗って南から東へ行く。

長いことバスに乗っていたらしい。バスは郊外の大きなショッピングモールへ到着した所で終点だった。〇〇と書いたダンボールを見せて尋ねると、若い女の子のグループが親切にバス停まで連れて行ってくれた。しかしそのバスに乗ると、来た道を戻るようだ。どうやら中心地にも似た地名があってタイ語では微妙に違うだけなのかもしれない。慌ててバスを降り、反対車線へ行き、ヒッチハイクをしてみた。

30分ほど待つと、ミニバンが止まり100バーツで行くそうだ。体力が無かったので乗ることにした。後ろの席では誰も居なかったので二人分使って足を上げることができ、ザックを抱いて寝ることができた。1時間ほど経っただろうか。地図を見ると目的地の交差点に差し掛かったので100バーツ払って降りた。

薬局で抗生物質を買おとするが、高すぎて買えない。北へ行くバスを聞いてみると緑のバスでセブンイレブンの前から乗れるとのこと。ちょうど緑のバスが止まっていたが満員で座れない。が、しょうがないので乗ることにした。立っているのはかなり辛いが、すぐに席が空いて座ることができた。

終点の場所は幹線道路から離れていて、また戻らなくはならなくなった。歩きながらヒッチハイクしていると、現場帰りらしきトラックの荷台に乗せてもらった。かなり汚れた人達で酔っていた。

全く言葉が通じないがしきりに話しかけてくる。身振り手振りで答えるが、どうやらウチに来て飯を食えと言っているようだ。いや、寺に行かなければならないし、飲めないし食べれないと言うが無理やり一人のおじさんの家に連れていかれた。かなりの荒れた集落だったが、出てきた奥さんは英語が話せた。寺の名前を言うが、寺が多過ぎてわからないようだ。とりあえず幹線道路へ連れて行ってもらった。おじさんは酔っていて運転が危ない。だけど、寺まで連れて行ってやりたい。だが10キロもある。それを察してここで良いからとなだめて歩いて振り返らなかった。幹線道路からはすぐにトヨタに乗ったおじさんと雲泥の差のひとが乗せてくれて、寺の前まで連れて行ってくれた。

すでに夕方の5時を過ぎていて、寺の事務所には誰もいなかった。白い服を着た女性が気付いてくれて、事務所を開けてくれた。そして、曲者の小さな尼さんの登場だ。その尼さんにパスポートを預けて、10日間居たいと伝えると、部屋を案内してくれた。「あなたは私から教えが欲しいか?」と聞かれ、ん?教え?何のことだろうと思って「ノー」と言うと、もう一度聞いてきた。実に意地の悪い聴き方だ。「英語は出来るか」と聞かれたので「少し」と答えると、「英語ができなくてどうやって教えることができる」などと益々意地悪さが出てきた。とにかく病状が酷くなっていたので、「はい、はい」となるべく早くその面談を済ませたかった。どうやら、この寺院へ何度かの瞑想学習のための訪問があれば、更に深く学習したい旨を伝えると滞在日数に制限は無いようだ。その判断はこの面談でするようだ。案内された部屋は横並びに建ってある角の部屋で窓が多く、広い部屋の中の真ん中に低い木のベッドがあるだけだった。トイレとシャワーはあるがホットシャワーではない。ベッドにマットやブランケットが無かったので、この板にそのまま寝るのかなと、思ったが流石にそれは無かった。ブランケットとマットを取りに行きつつ、寺院を案内されるのだが、かなり広い敷地で、もう勘弁してくれと言いたくなった。その日は遅かったので、そのままスケジューには参加せず、次の日から参加することになり、やっと横になることができた。そして、悪寒、激しい頭痛、発熱が襲ってきてうなされた。それは一晩中続き、痛み止めを飲んでも効かなかった。そしてウツラウツラとしながら朝を迎え、朝食の時間になった。

Wat Thanta Atsapharam

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